Monthly News in May 2021

フィンランドは5月に入り気温がぐっとあがり、月半ばには桜の花が満開となりました。この陽気に加えて、感染状況が落ち着いたこともあり、中学・高校の対面授業はおよそ半年ぶりに再開され、街に人が戻り、週末には公園に人があふれるようになりました。保健当局は人の流れが活発になっていることを憂慮していますが、ワクチン接種も夏休みに向けて急ピッチで進んでおり、5月末には一回目接種を終えた人が全住民の45パーセントにせまる勢いです。

 

  • フィンランドのワクチン接種システム

 

フィンランドのワクチン接種の順番ですが、12月末からまずは医療介護従事者から開始され、次に70歳以上の高齢者、その次に新型コロナ感染による重症リスクがある住民、そして69歳以下のグループへと移っていく、という流れになっています。

人口63万人のヘルシンキでは4つの大規模接種会場が設置され、4月30日から50-54歳の接種が、5月10日からは45-49歳の接種が始まっています。現在のペースでは20代が接種を受けられるは7月に入ってからになるとのことですが、住民の70%が接種を完了するのは7月10日という計算です。

予約はインターネットのサイトか電話で行い、今のところファイザー社のワクチンか、65歳以上であればアストラ・ゼネカ社のワクチンを選ぶこともできます。一回目の接種を受けた際に二回目の接種日も指定されますが、フィンランド保険当局の方針としては12週間後に二回目の接種を行うこととしています。

フィンランドを含むヨーロッパの人々にとっては夏の長期休暇は人生の大きな楽しみであり、欠かせないものであるため、各国夏休みに国内・海外旅行を今年はできることを願って急ピッチで接種を進めています。

 

 

  • フィンランド・サッカー代表の欧州選手権

 

これまでに何度かとりあげている昨年6月に開催されるはずであったサッカーのヨーロッパ選手権ですが、1年延期されて今年6月に開催される予定です。これまで主要大会には縁のなかったフィンランド代表ですが、初めてヨーロッパ選手権への出場権を2019年秋に予選を勝ち抜いて獲得し、国中が大喜びで、多くのファンがすでにチケットを買っていましたが延期となってしまいました。

フィンランド代表はロシアのペテルブルクで2試合、デンマークのコペンハーゲンで1試合行われる予定で、21000枚のチケットがフィンランドに割り当てられ完売となっていました。ところが、ヨーロッパ選手権を主宰するUEFA(ウエファ)は有観客で試合を行うと決めてはいますが、30-40%の観客数しか認めない方針で、すでにチケットを持っているファンはそのチケットが有効か無効かの通知を待っているところです。

さらにはフィンランドの保健当局はファンに対して「観戦に行かないよう」推奨しています。ヘルシンキからロシアのペテルブルクまでは特急で3時間半ほどであり、鉄道会社も特別便を出すとの情報がありますが、フィンランド政府がそれを認めるかまだ不透明です。

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