Monthly News in July 2021

2021年7月のフィンランドの新型コロナ感染状況ですが、サッカー欧州選手権のフィンランド代表の試合が行われたロシアのペテルブルクから帰国した観戦者からデルタ株が拡大し、今年春ごろの感染状況へと戻ってしまいました。政府は首都圏のレストランやバーの規制解除、入国規制緩和へと動いていましたが、これにより夏休み明けの状況も不透明になってしまい、ワクチン二回目接種(7月半ば時点で全住民の25%)の加速が期待されています。

日本ではいよいよ東京五輪が始まりましたが、フィンランドからは47名のアスリートが参加し、射撃やゴルフ、ボクシング、重量挙げ、ヨット、乗馬、バトミントン、競泳、陸上などの競技に参加する予定です。

 

  • 猛暑による水難事故増加

 

今年のフィンランドの6月全国平均気温は記録史上最高の16,5度を記録し、特に月の後半は比較的気温の低いヘルシンキでさえ25度を超える日が続くことがあり、クーラーを持たないフィンランド人にとっては苦しい熱帯夜が続きました。この「猛暑」は7月に入っても続き、新型コロナの影響で南国への海外旅行に行けないフィンランド人にとっては嬉しい暑さとなりました。

この暑さゆえに、ビーチや海での水難事故の数が増えています。今年の6月に水難事故(主に海や湖でおぼれる事故)にあった人は30人を数え、1999年6月の45人に次いで二番目の多さとなりました。7月に入っても、12日までに17人の水難事故が報告されており、すでに昨年の7月全体の水難事故者数の15人をすでに超えています。

フィンランド人の夏は、ビーチや湖で泳いだり、ボートや小型の船で海を楽しむのが定番ですが、水難事故の最も多い原因は、アルコールが入った状態で泳いだり、船に乗ったりした結果、とのことです。

 

  • フィンランドのスポーツ医学

 

ヨーロッパではサッカーの欧州選手権、日本では東京五輪とスポーツイベントが目白押しの今夏ですが、フィンランドのスポーツ医学は世界的に知られており、その看板医師であるサカリ・オラヴァ外科医(2020年初頭に引退を表明)は数々の世界的アスリートの手術を何十年にもわたって手掛けてきました。

特にサッカー選手では、世界的に有名なイギリスのデイビッド・ベッカムのアキレス腱回復手術を2010年に行い、またスペインのトップサッカークラブであるバルセロナとも契約を結んでおり、リオネル・メッシなど著名サッカー選手の手術を担当してきました。スペイン以外にもイタリア・フランスのトップクラブとも契約を結んでおり、数々の名選手の手術を担当してきました。

サッカー以外では、ジャマイカの短距離走者で7回連続オリンピックに出場し銀メダルを獲得したマリーン・オッティや、エチオピアの長距離走者で、アトランタ・シドニー両オリンピックで10000メートル走連覇を果たしたハイレ・ゲブレセラシェなどトップ・アスリートを担当しました。また、1988年から2000年までフィンランド五輪代表団の担当医師を務めました。

現在76歳ですが、引退するまで11の国で25,000以上の手術を行ってきたとのことです。

先日のサッカー欧州選手権でも優勝したイタリア代表の選手が、試合中にアキレス腱断裂の大けがを負いましたが、すぐにトゥルクで手術を受けました。サカリ・オラヴァ医師はすでに引退されていましたが、彼の弟子にあたる医師が担当し手術は無事成功に終わりました。

Overseas Satellite Offices