フィンランドの新型コロナ感染状況ですが、8月半ばには一回目接種70%・二回目接種40%となったものの、夏休みの影響で人の動きが増え、過去最高の一日新規感染者数を記録する日も出てきました。このような状況で、8月第二週より小中高校は新年度開始を迎え、大学も8月末―9月頭から始まります。すでにEU共通ワクチン・パスポートなどが導入されていますが、学校での対面授業継続のために12-15歳の子供へのワクチン接種が開始され、希望する子供たちは自分の学校でワクチンを受け始めています。
コロナ禍の2020-21年度を終えた保育士と小中高教師1900人を対象に教育分野の組合が調査を行ったところ、その三分の一が転職を考えているという結果が出ました。コロナ禍ゆえの負担増がその大きな理由ですが、調査始まって以来の高い割合ということで、組合は新年度に向けて教師への支援を国に呼び掛けています。
特に中高生は昨年度の半分以上を遠隔で過ごし、保育園・小学校も対面授業が一年続きましたが、感染対策を行いながらカリキュラムを予定通りこなさなくてはならないということで、教師の負担が激増したことがうかがえます。
この負担減のために、教師側からは教師の数を増やし、教師が教えることに集中できる環境を整えること、可能な限り対面授業を行い、教師の労働環境をより良いものにすること、などが教師側から提案されています。
8月9日に発表された気候変動政府間パネル(IPCC)による世界レベルでの気温上昇への警告は世界中で大きく報じられましたが、今夏猛暑が続いたフィンランドでも大きな注目を集めています。これを受けてフィンランド気象研究所は、気候変動が将来ヘルシンキにもたらすであろう影響を予測しています。
まず、すでに進行中ですが、夏の気温上昇がさらに進むと予想され、2050年までには1971-2000年の時期と比べて2,3-3,4度平均気温が上昇すると見込まれています。冬は、例えばもう少し南のドイツのように、雨が増えて雪を見ることはどんどん少なくなっていき、冬が一層暗くなることが予想されます。進行中の海面上昇に加え、年間雨量が増えることで洪水のリスクが高まり、ヘルシンキの古い建物や建物周囲の環境は洪水に耐えられないだろうと予想されています。
数年前に発生した夏の大雨で、ヘルシンキ中央駅が浸水し、地下鉄のエレベーターが数か月使用できなくなったことを受け、ヘルシンキ市内の洪水リスクの高いところの調査と補強工事が進められていますが、まだすべてのリスク箇所が把握されたわけではありません。(ただ、今のところ、今夏ドイツやベルギーで発生したような大洪水のリスクは、フィンランド全体・ヘルシンキでは高くない、とされています)
ヘルシンキとしては、都市の緑化を促進し、石炭燃料に代わるエネルギーを活用し、2035年までにカーボン・ニュートラルを達成することを目標としている、とのことです。